一関・平泉

作った鉄 鋳物に 大原小6年生 卒業記念、業者が鋳造【一関】

自分たちで採取、製鉄した鉄を使った鋳造作業を見守る大原小の6年生

 一関市大東町の大原小学校(佛川恒明校長、児童130人)の鋳造実習体験は20日、奥州市水沢の市鋳物技術交流センターで行われた。6年生23人が自分たちで川から砂鉄を採取し、たたら製鉄によって作った鉄を職人が鋳物に加工する過程を見学した。

 同校では、旧内野小が地元のボランティア団体・ホッパの会と共に行っていたたたら製鉄体験を継続し、2018年度で20年目。17年度から同市水沢の及源鋳造(及川久仁子代表取締役社長)の協力で、卒業制作として鋳物に仕上げている。

 鋳造作業では、児童がたたら炉で作った「けら」に、加工しやくするための銑鉄(せんてつ)を混ぜて約1400度に加熱。どろどろに溶けた鉄を型に流し込み作品に仕上げられた。

 作品は昨年度の児童が考えた校章を基にしたデザインで、「大原」「絆」の文字と卒業式の日付が入れられ、縦6センチ、横5センチ、厚さ0・8センチ。型を改良してより文字が見やすくなっており、及川社長は「地元で採取された鉄を加工するというのは、自分たちにとっても貴重な機会。児童の卒業制作以外にも、風鈴や鉄瓶などを作ってみたい」と語っていた。

 作品は後日、児童がやすりで磨いて完成させる。藤井結花さんは「鋳造はめったに見られない作業で、自分たちが採取して作った鉄が作品になるのはうれしい」と話していた。

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