一関・平泉

平泉にとって恩人 初来訪から親交50年 キーンさん死去 町内関係者が哀悼

講話で初めて金色堂を見た時の感動などを語るドナルド・キーンさん=2011年9月11日、中尊寺本堂

 日本文学研究の第一人者で、文化勲章を受章した米国コロンビア大名誉教授のドナルド・キーンさんが24日死去したとの訃報を受け、親交のあった平泉町内の関係者は「日本だけでなく平泉にとっても恩人だった」と哀悼の意を示した。

 キーンさんは2011年9月、中尊寺で営まれた東日本大震災犠牲者慰霊法要に参列後、来場者約200人を前に講話。50年前に初めて金色堂を見た時の感動を「ここが極楽だと思った」と振り返るとともに、平泉の文化遺産が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録されたことを「日本人の誇り。待ちに待った登録で本当に良かった」と喜びを語っていた。

 キーンさんが初めて同寺を訪れて以降、半世紀以上の親交があった中尊寺仏教文化研究所所長の佐々木邦世さん(78)は、突然の訃報に「心にぽっかりと穴が開いたようだ。日本だけでなく平泉にとってもその価値を理解し、世界遺産登録へ向けて自信を持って取り組むよう助言してくれた恩人だった」と語り、「震災後に直接電話で連絡があり、列を乱さずに支援物資を受け取る被災者の姿を見て『日本人と共に生きたい』と帰化する決意を打ち明けられたのを思い出す。本当に日本人だった」と故人をしのんだ。

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