一関・平泉

NSPで新幹線発車 「夕暮れ時はさびしそう」 一ノ関駅ホーム

NSPのCDを手に発車メロディー導入を喜ぶ(左から)佐藤会長、勝部市長、角谷駅長
来月20日から導入

 一関市は26日、JR一ノ関駅の東北新幹線ホームで発車ベルに代わり、市ゆかりの発車メロディーを導入することを明らかにした。曲は一関工業高等専門学校出身者によるフォークグループNSPの代表曲「夕暮れ時はさびしそう」。県内では初の導入で、3月20日の上り始発(午前6時48分発)から使用されることになり、一関を広くアピールする。

 勝部修市長が定例会見で発表した。発車メロディーは、その土地に合わせた楽曲にちなんだものが全国各地で導入されており、東北新幹線では仙台駅「青葉城恋唄」、郡山駅「キセキ」、福島駅「栄冠は君に輝く」、新青森駅「ねぶた囃子(ばやし)」に続いて5例目となる。

 勝部市長が東京出張で乗り換えのため仙台駅で降りた際に発車メロディーを聴き、「一関でも何かないだろうか」と考えたのがきっかけ。市拠点駅推進協議会と共に昨秋から準備を進め、JR側に要望、実現した。

 曲は、庁内での意見などを踏まえて決定した。NSPは一関高専の同級生だった同市出身の故天野滋さん、宮古市出身の中村貴之さん(65)、花巻市出身の平賀和人さん(65)により1972年に結成され、翌年に「さようなら」でデビュー。74年には「夕暮れ時はさびしそう」がヒットし、当時の音楽シーンを代表するグループとして活躍した。

 発車メロディーは、サビ部分を中心にシンセサイザー音などを用いて約30秒にアレンジした。4~6月には岩手がJRの重点販売地域となることから3月20日~6月30日を期間とし、利用客からの反応などを踏まえて7月1日以降の継続も検討する。同駅では通常時には上下40本の新幹線停車があることから、市では発車メロディーを通じたイメージアップを期待している。

 導入に当たり、メンバーの平賀さんは「一関が育んでくれたNSPの代表曲をこういう形で紡いでくれる一関市民の皆さんとJR東日本に感謝するとともに、大きな喜びを感じています。実際にホームで聴いてみたい、今はそんな気持ちでいっぱいです」とコメントを寄せた。

 勝部市長は「舞台となったのが磐井川の堤防で、市にゆかりが深い曲。原曲よりテンポアップするよう工夫し、いいメロディーができた」と好感触で、会見に同席した角谷公博駅長は「旅行需要が多い50~60代にとって非常に懐かしい曲で、今後も地域と一緒に盛り上げていきたい」、同協議会長の佐藤晄僖一関商工会議所会頭も「ベルよりも旅情を誘い、駅にいい思い出を残してくれるのではないか」と述べた。

 発車メロディーは3月1日から市の公式フェイスブックページで聴くことができる。

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