塩中毒死 和解が成立 盛岡地裁 女児両親と元施設経営者
2015年8月に盛岡市の認可外保育施設で当時1歳女児が塩中毒で死亡した事件で、元施設経営者の女性(35)=同市=に対し、娘が死亡したのは虐待によるものだとして両親が損害賠償を求めた訴訟は26日、盛岡地裁(中村恭裁判長)で和解が成立した。
訴状によると、両親は元施設経営者が故意に女児の飲料に多量の塩を投与したことで死亡したとして、6270万円の損害賠償を求めていた。18年12月、裁判所が元施設経営者が両親に和解金を支払う案を提示。2月7日の協議で成立する見通しだったが、元施設経営者が期日までに頭金を用意できなかったため、26日に持ち越された。
両親の代理人弁護士によると、元経営者が同日に頭金を支払い、和解が成立。今後は元経営者が毎月分割し、両親に和解金を支払うことで合意した。和解条項で口外禁止としているため、代理人弁護士は和解金の総額や今回の頭金の金額について明らかにしていない。元経営者は自身の代理人と和解協議に出席したが、両親への謝罪も含めて何も話していなかったという。
女児の父親(29)は同日、「(元経営者は)本当のことを言っていないし、心から謝罪したとは思えないが、刑事の法廷で『生涯かけて償う』と約束させてくれた。判決よりも娘のことを忘れずに、罪を償ってもらうことを選んだ」とのコメントを出した。