「特A」県南ひとめぼれ・奪還 銀河のしずく・初 18年産米食味ランキング
日本穀物検定協会が27日公表した2018年産米の食味ランキングで、県南地区「ひとめぼれ」が最高の「特A」評価を受け、17年産の「A」評価から2年ぶりに返り咲いた。県中地区「銀河のしずく」も同じく特Aに評価を上げたが、最高級の本県フラッグシップ米として同じくA評価から特Aを目指した「金色(こんじき)の風」(参考品種)は「A'」に下げ、県は評価の分かれた要因を分析して19年産米の取り組みに生かす。
16年産まで通算22回連続(大冷害だった03年産除く)で最高評価を受けていた県南ひとめぼれが17年産で初めて特Aを逃すなど、16年デビューの県産オリジナル米「銀河のしずく」、17年デビューの同じく「金色の風」のいずれもA評価だったことを踏まえた18年産の米作り。
県中地区(盛岡、花巻、北上、遠野、西和賀など9市町)限定の銀河のしずく(16年産は参考品種で特A)は初、県南地区(奥州、一関、金ケ崎、平泉の4市町)のひとめぼれは特Aを奪還したが、県中ひとめぼれはA評価のまま。雪辱を期した県南地区限定の金色の風は、要件(作付面積1000ヘクタール以上など)を満たさない参考品種ながら評価を1ランク落とした。
食味試験は香りや味、粘りなど6項目。複数産地のコシヒカリをブレンドした基準米に比べて「特に良好」が特A、「良好」がA、「おおむね同等」がA'など5段階で評価するが「金色の風の品種特徴である軟らかさがコシヒカリと比べた場合にマイナスになったのではないか」とみる向きもある。
18年産は全般に天候に恵まれて出穂期以降の初期登熟も順調に推移。一時的な低温、日照不足もあったが、東北農政局が昨年12月に公表した作柄概況では、花巻市から一関市までの8市町を範囲とする「北上川下流」の作況指数は101の「平年並み」だった。
県産米戦略室の小原繁県産米戦略監は「銀河のしずく、県南ひとめぼれは特A評価でほっとしている。金色の風はお米マイスターなど専門家からは高い評価を受けて取扱店舗も増えているので、原因は何かを研究機関と調査検討したい」と話している。