Nanak 6月閉店 盛岡
盛岡市のななっく(早瀬恵三代表取締役社長)は28日、運営する同市中ノ橋通の商業施設「Nanak(ななっく)」を6月2日で閉店すると発表した。開業以来赤字経営が続き、親会社の経営難もあって将来的な改善が見込めないことから閉店に踏み切った。今後は2年後の盛岡バスセンター再稼働に合わせ、周辺地区の再開発に取り組む方針を示した。
同施設は、東日本大震災直後のガス爆発事故で休業していた旧中三盛岡店の建物を承継した投資会社「マイルストーンターンアラウンドマネジメント」(MTM、東京都)が2012年にオープン。同社が100%出資する会社ななっくが運営している。
地下1階、地上7階建てで、青果や鮮魚、服飾や100円均一ショップなどが入店。ホットライン肴町アーケードに隣接している。発表によると、老朽化した建物設備の維持管理コストなどが高く、オープン以来赤字経営が継続。MTMの経営難も影響し、近年はテナントの撤退が相次いでいた。
市が21年度を目標に、周辺地区で新盛岡バスセンター(仮称)を整備する方針をまとめたことから同施設を閉店し、再開発に取り組む方針を固めた。商業施設や自走式駐車場、ホテルなどの複合施設の開業を視野に入れている。
閉店を知らされたばかりのテナント事業者も多く、呉服店の女性スタッフは「半年や1年先であれば分かるが、数カ月後というのは急過ぎる。常連客もいるのに残念だ」と困惑の表情を浮かべた。
ななっくは、1日夜に市内で記者会見する。早瀬社長は「苦渋の決断だが、地区をより発展させるためには(再開発は)営業を中断してでも取り組むべき課題。多大な迷惑をお掛けするが、より一層のご愛顧を閉店まで賜りたい」としている。