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須川コース通行止め 栗駒山火山防災協 昭和湖付近で硫化水素【岩手】

須川コースに設置された硫化水素測定器=2018年9月24日撮影

 栗駒山火山防災協議会(会長・達増拓也知事)は14日、盛岡市内で開かれ、昭和湖付近で高濃度の硫化水素が観測されたことを受け県は、昭和湖を通過する須川コースを通行止めとし、同湖や地獄谷を通過しない産沼コースを迂回(うかい)ルートに設定する方針を明らかにした。今後は登山者や関係者に周知を図るとともに、雪解け後に迂回ルートの安全対策を行う。

 県立大が2018年6月から3カ月にわたり、同山の火山性ガスの調査を行った結果、同湖付近の硫化水素濃度が、基準値(10ppm)の20倍となる200ppmを超える状態が複数回観測された。

 こうした事態を受け県は、登山者の安全確保のため有識者と意見交換を行った結果、同湖付近を避けることが重要とする意見を踏まえ、当分の間、同湖を通過する須川コースを終日通行止めの措置とする方針とした。

 今後、山開きを前に通行止めとなるコースの入り口にバリケードなどを設置し進入禁止とするほか、登山者や観光関係者への周知徹底に取り組む。迂回となる産沼コースについては、4月以降の雪解けを見ながら、刈り払いや標識などの安全対策を行う。

 関係者からは「観光への影響もあるので、今後丁寧な説明が必要ではないか」などの意見が上がった。県自然保護課の高橋一志総括課長は「人命保護を最優先とした措置。不必要な不安を与えないよう丁寧に説明していきたい」と述べた。

 また同日は5段階に分けた同山噴火警戒レベル案のほか、発生が想定される水蒸気噴火などの火山現象、噴火警戒レベルに応じた避難対象市町村の対象者や対象地域などを取りまとめた火山避難計画案について、全て承認した。

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