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目立つ家族間暴行・虐待 盛岡地方法務局まとめ 昨年の人権侵犯事件235件

 盛岡地方法務局は、2018年の県内人権侵犯事件状況をまとめた。被害者からの申し出などで新規に救済手続きを開始した事件数は、前年より120件少ない235件。暴行・虐待事案は62件と全体の約3割を占め、過去10年で2番目に多かった。家族間での暴行・虐待が目立ち、高止まり傾向にある。

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子供や女性が被害者に

 同法務局によると、暴行・虐待事案は、過去最多だった前年(87件)と比べると減少しているが、全事件数に占める割合は最も大きく、4件に1件が同事案だった。夫から妻への暴力が29件、親から子への虐待が16件、子から親への暴力が1件など、家族間での事件が大半。同法務局が設置する専用電話「女性の人権ホットライン」でも暴行・虐待の相談は多く、18年は過去10年で最多の51件が寄せられた。

 プライバシー関連は28件で、前年より8件減少。暴行・虐待と同じく、過去10年間では2番目に多かった。インターネット上の掲示板に個人情報や誹謗(ひぼう)中傷などの内容が掲載されたため、削除してほしいといった旨の相談があったという。

 いじめ事案は10件で、前年の40件から7割以上減少。体罰事案は4件で、前年より2件増加したが、過去10年を見ると少ない状況にある。数字的には発生事案が減った形となっているが、同法務局が相談を受けた際に救済手続きの前に学校に相談するよう促していることなどが背景にあるとみられる。同法務局が設置する専用電話「子どもの人権110番」でも、いじめの相談は47件と前年を22件下回った。

 同法務局は、子供や女性が被害者になりやすいとして、両専用電話や小中学校に配布する「子どもの人権SOSミニレター」などで相談を受け付けている。人権擁護課の桜庭英樹課長は「相談の数は氷山の一角でしかない。まずは悩みを話してほしい」としている。

 相談先は女性の人権ホットライン=0570(070)810=、子どもの人権110番=フリーダイヤル(0120)007110=。

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