岩手競馬 覚悟の再開 水沢で初日11レース 禁止薬物未解明のまま ファンは熱視線【奥州】
競走馬から禁止薬物の検出が相次ぎ、レースを取りやめていた岩手競馬は23日、奥州市の水沢競馬場で恒例の春競馬からレースを再開した。初日は11レースが繰り広げられ、競馬ファンらは熱いまなざしで見守った。
2018年度シーズンの岩手競馬は、昨年夏以降に禁止薬物の筋肉増強剤(ボルデノン)が検出された陽性馬が続発して一時レースを休止。再開後の昨年12月に5頭目が確認されたことを受け、通常開催を締めくくる年末年始の開催を取りやめた。県競馬組合では、監視カメラの増設、警備員の24時間配置、事前の全頭検査などの対策のほか、競馬関係者の手荷物検査を実施している。
同日は入場無料とし、先着300人を対象としたプレゼントなどが行われ、再開を待ちわびた来場者を喜ばせた。
4月に新社会人となる秋田市から訪れた千葉喬馬さん(22)は「原因が究明されていない段階での再開は、見切り発車の感はあるが、再開を待ち望んでいた多くの競馬ファンのために、普段から公平性を広く広報する仕組みをつくってほしい」と話した。
県競馬組合の内宮明俊副管理者は「昨年は、禁止薬物陽性馬が相次いで発生し、お客さま、競馬関係者、県民の皆さまに多大な心配、迷惑をお掛けした。県競馬組合では、二度と禁止薬物陽性馬を発生させない強い決意の下、厩舎(きゅうしゃ)関係者らと一丸となって、皆さまの信頼回復に努める。今後も、より一層の声援、支援をお願いしたい」とコメントした。
春競馬は同競馬場で24、25、30、31日を含めた5日間で、計55レースが実施される。