小林陵 13勝目 最終戦で歴代2位に並ぶ W杯ジャンプ男子
【プラニツァ(スロベニア)時事】ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ男子は24日、スロベニアのプラニツァでフライングヒル(HS240メートル、K点200メートル)による今季最終の個人第28戦が行われ、既に総合優勝を決めている小林陵侑(盛岡中央高―土屋ホーム)が1回目にジャンプ台新記録の252メートル、2回目に230・5メートルを飛び、464・9点で3戦ぶりに優勝した。今季、通算とも13勝目。
シーズン13勝はグレゴア・シュリーレンツァウアー(オーストリア)と並ぶ歴代2位。
佐藤幸椰(雪印メグミルク)は14位、小林潤志郎(盛岡中央高―東海大―雪印メグミルク)は15位、伊東大貴(雪印メグミルク)は21位だった。
観戦していた観客が一斉にどよめいた。小林陵の1回目の飛躍が、あまりにも高かったからだ。
空気を切り裂く音とともに、ぐんぐんと飛距離を伸ばす。これ以上飛んだら危険とされるヒルサイズを12メートルも上回り、ランディングバーンのほぼ平らなところで腰を大きく落としてうまく着地。「252メートル、ジャンプ台記録」のアナウンスで、2万人超の観客が詰め掛けた会場はお祭り騒ぎとなった。
飛距離に換算して2位に約10メートルの大差をつけて臨んだ2回目も、230・5メートルにまとめて圧勝。「思い切りのいいジャンプができれば」と話していた通り、世界最大級のフライングヒルでも本場欧州のファンを驚かせた。
今季はW杯初優勝から勝利を積み重ね、伝統のジャンプ週間を完全制覇。さらにW杯最多タイの6連勝、日本男子初の総合優勝。それでも、結果にこだわらない姿勢を最後まで貫き、「結果は十分に出して、認めてもらえたと思う」。抜けるような青空の下、クリスタルトロフィーを掲げた22歳が最高の笑顔を見せた。
1回目はすごく伸びた 小林陵侑
1回目は飛び出しがうまくいき、風も多分良くて、すごく伸びた感じだった。今季は集中していいパフォーマンスができた。よく頑張ったなという感じ。オフは忙しくなりそうだが、しっかり休んでまた練習したい。