一関・平泉

磐井川の桜 次代へ 堤防改修促進協 田村地区に18本植樹【一関】

磐井川堤防の桜並木の再生に向けて行われた植樹祭

 桜の名所として知られた磐井川沿いの桜並木の再生を目指し、一関市の磐井川堤防改修促進協議会(会長・佐藤晄僖一関商工会議所会頭)は27日、桜植樹祭を改修工事を終えた磐井川堤防右岸・田村地区で開いた。工事に伴う伐採前のソメイヨシノの遺伝子を受け継ぐ苗木18本を植え、新たな桜並木の誕生へ願いを込めた。

 植樹祭には同協議会や地元住民、小学生、園児ら約200人が参加。初めに、佐藤会長がかつてあった磐井川沿いの桜は1947、48年のカスリン、アイオン両台風からの復興を願って植えられた経緯を紹介しながら「惨状の中から先輩たちが一生懸命立ち上がって今日の姿になった。桜のDNAを受け継ぐということは、災害にめげずに希望を持って将来に向かって良いまちをつくっていくという心を受け継ぐことと受け止める。次の世代にこの桜を受け継ぎ、安心・安全なまちになることを願って植えたい」とあいさつ。

 堤防には桜を植栽するためのスペースとして盛り土で側帯が設けられており、高さ1・5メートルほどに成長した苗木18本を10メートル間隔で丁寧に植樹した。太田結菜さん(一関小6年)と畠山怜さん(同3年)は「ここで花見をしたことがある。早く桜の花を見たい」と笑顔で語っていた。

 磐井川堤防の桜並木は、中心市街地にある花見スポットとして親しまれてきたが、堤防内に根が侵入して空洞を発生させるなど影響を及ぼしていたこともあり、国土交通省が2010年に改修工事に着手。工事に伴い、両岸のソメイヨシノは順次伐採された。

 同協議会の関係団体だった磐井川堤防改修に伴う桜並木の復元を考える会が、事業完了後の景観再生を見据えて11年2月に切り倒される前の桜の枝先(穂木)を採取。宮城県の造園業者に委託し、接ぎ木による苗木の育成を進めてきた。植樹祭は磐井地区、青葉地区に続いて3回目で、今回が最後となる見込み。復元を考える会が18年6月に解散したことに伴い、今回は同協議会が事業を引き継ぎ植樹祭を催した。

 磐井橋と上の橋の間の右岸に当たる田村地区の工事は18年11月に終了。市では磐井川緑地の桜堤整備事業としてベンチを設置し、市民の憩いの場づくりを図った。

 堤防工事は今後、時期は未定だが上の橋上流の左岸に当たる末広地区で着手する予定。

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