奥州・金ケ崎

金ケ崎工場に新棟 サンケミカル トヨタ自東へ部品供給 12月の操業目指す

サンケミカル金ケ崎工場の新棟建設工事の安全を祈願し、くわ入れを行う鑓田会長

 自動車用樹脂部品、住宅用樹脂部品製造のサンケミカル(本社静岡県富士市、資本金3000万円、鑓田真一代表取締役社長)は、金ケ崎町永沢林蔵寺の金ケ崎工場の増設へ新棟建設を進める。28日には現地で安全祈願祭が行われ、関係者が順調な工事進行を祈った。新棟には大型の射出成形機械を整備し、トヨタ自動車東日本向けに供給する自動車のアンダーカバーなどの樹脂部品製造を行う計画で、12月の操業開始を見込む。

 安全祈願祭にはサンケミカルや工事関係者、県、町などから21人が出席。同社の鑓田利幸会長がくわ入れを行い、鑓田社長、髙橋由一町長らが玉串をささげた。

 同社は2002年12月に設立。特に自動車向け部品成形(ブロー成形、射出成形)で高い実績を持ち、加工機部門を含め、複数の自動車メーカー用部品を製造している。東北では11年に北上市に東北工場を(14年に増設)、16年8月に金ケ崎工場を設けている。

 金ケ崎工場によると、新棟ではトヨタ現行車種の「C-HR」「アクア」などのアンダーカバー、エンジンカバーといった樹脂部品製造を行う計画。現工場も設備投資を行い、トヨタ自動車東日本からの新規受注などにも対応していく。

 新棟は現工場西側の敷地に整備する。鉄骨造り平屋建て、床面積約3300平方メートル。施設内には東北の自動車産業樹脂部品製造では最大級という型締め圧1800トン規模の大型射出成形機械を導入する。

 現地では18年11月から敷地造成などに着手しており、建設工事は10月末の完了を予定。射出成形機械の設置などを経て、12月初めごろからの操業を目指す。

 新棟建設に係る総事業費は設備分も含めて約6億円、現工場への設備投資分は約1億円を見込む。金ケ崎工場によると、今回の整備に伴い現状から20%ほど生産量が増加、10人程度の新規雇用も想定している。川畑智明工場長は今後の構想として「金型のメンテナンスや修理、改造などに対応できる形もつくっていきたい」との考えを示している。

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