ウッドカービング作家菊池さん 端材に新たな命 巧みな技で木工作品展【花巻】
花巻市東和町在住のウッドカービング作家菊池哲夫さん(59)の作品展「木と遊ぶ」は、同町土沢の店舗付き共同住宅こっぽら土澤内、土沢カフェくるみで開かれている。端材を有効活用して生み出された個性豊かな作品が、来店者に木工芸の魅力を伝えている。4月22日まで。
菊池さんは同市石鳥谷町生まれで、木を使ってさまざまな物を再現する「ウッドカービング」に取り組む作家。東日本大震災のボランティア活動を通じてチェーンソーアートの魅力を知り、自分でも制作するようになったという。
展示は約20点。チェーンソーを巧みに使った木彫り、板に焦げ色を付けて絵画のように仕上げた逸品などが多彩に並ぶ。
自作をアカデミックな美術とは一線を画す「フォークアート」と位置付ける菊池さんだけに、どれも固定観念にとらわれない奔放な味わい。横置きしたケヤキ端材の形からイメージを広げ、民族や宗教で対立する人間社会を象徴的に表現したという作品「渦巻く世界」などが目を引く。
端材を用いる理由を菊池さんは「真っすぐな木でないと流通に乗らないが作業上、どうしても端材は発生してしまう。どの木もそれなりに生きてきたのにかわいそう、という思いがある。(展示で)自然素材の良さに目を向けていただけたら」と話す。
午前10時~午後5時。火曜休。問い合わせは同店=080(3334)3003=まで。