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観光・物流 速く安全に 国道107号梁川~口内工区 着工6年、トンネル開通【岩手】

梁川口内トンネル開通を祝いテープカットし、くす玉を割る出席者=北上市口内町

 県が奥州市江刺梁川と北上市口内町で整備していた国道107号梁川~口内工区2470メートル区間が28日、開通した。事業開始から約6年で梁川口内トンネル(1022メートル)を含むバイパス部がつながり、北上市街地方面と東北横断道釜石秋田線(釜石道)江刺田瀬インターチェンジ(IC)とのアクセスが大幅に改善。今月初旬に全線開通した釜石道と合わせ沿岸部と内陸部がより短時間で結ばれ、観光振興や物流効率化など多面的な効果が期待される。

 開通前の同日午前に口内側で行われた式典には県や両市、工事関係者、梁川、口内両地区住民ら約130人が出席。発注者の県を代表し、細川倫史県南広域振興局長は「完成を迎えることができたのは地権者や地域住民、関係各位の尽力と支援のたまもの。両市の交流促進による地域活性化や物流効率化、産業振興が促進され、三陸沿岸地域の復旧・復興を力強く後押しすると確信している」と強調した。

 細川局長と髙橋敏彦北上市長、小沢昌紀奥州市長、口内小の島津里彩さん(4年)、梁川小の昆野真音さん(5年)らがテープカット。両市議会議長や地元選出県議らがくす玉を割り、待望の完成の喜びを分かち合った。

 口内小児童14人が口内きらめき鬼剣舞、梁川小児童40人が金津流梁小獅子躍りを披露。両校児童ともに躍動感あふれる演舞を見せ、式典に花を添えた。その後、関係車両が早速トンネルを「走り初め」。午後2時から一般車両が通行を開始した。

 これまで同区間は急カーブや急勾配が連続。特に冬場は事故が多発するなど交通に支障が出ていた。東日本大震災では沿岸被災地への緊急輸送道路として大きな役割を果たし、県は復興支援道路に位置付け2013年度に事業着手した。

 17年2月からトンネル掘削工事に入り、18年4月に貫通。トンネル内の舗装や前後の接続道路を整備し、予定通り18年度内の開通にこぎ着けた。総事業費は約50億円。開通で難所が解消され、所要時間は1分程度短縮。ドライバーの安全運行に大きく寄与しそうだ。

 事業は20年度まで。県は19年度も梁川側の220メートル区間で道路拡幅など残る工事を続ける。

momottoメモ

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