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東北6県とJRグループ 21年に大型観光企画 誘客拡大へ魅力発信

東北DCの開催決定を受けポーズを取る東北6県の知事やJR関係者ら=4日、仙台市
大震災から10年の節目

 【仙台・石川良】東北6県とJRグループ6社は4日、東日本大震災から10年の節目となる2021年4~9月に大型観光企画「デスティネーションキャンペーン(DC)」を東北6県で開催すると発表した。東北6県のDC開催は、旧国鉄時代の1985年以来でJR発足後初めて。震災復興やインバウンド(訪日外国人旅行者)対応などを重点とし、「オール東北」で各県の魅力を発信し誘客拡大につなげる広域的な観光キャンペーンに取り組む。

 仙台市内で行われた会見には、達増拓也知事ら東北6県の知事と副知事、JR東日本の関係者らが出席。各県の知事にJR東日本からDCの決定通知書が手交された。

 通常のDCは各都道府県単位で開催され、期間も3カ月間程度で、今回の6カ月は初めてとなる。

 JRなどの関係者によると、今後は各自治体や観光事業者との協議会を7月をめどに設立し、キャンペーンの内容を検討する方針。

 本県では東日本大震災後の12年4~6月に「いわてDC」が開催され、期間中736万人余が訪れた。

 東北DCの開催について村井嘉浩宮城県知事は「2021年の新たな復興創生期間が終わった次のステージに、東北6県が力を合わせてDCをやることで、大勢の人に東北を訪れてもらい必ず大成功を収めたい」と決意を語った。

 達増知事は三陸鉄道リアス線の全線開通や復興道路の開通を挙げた上で「岩手に来てもらい、東北を広域的に移動してもらうためのインフラが復興の中で大きく進んだ。ぜひ多くの人に利用してもらいたい」と強調。

 さらに「ラグビーワールドカップは岩手だけではなく、東北全体の一大国際スポーツイベント。今年からオール東北でインバウンドに力を入れながら、来年の東京五輪を経て、東北DCにつなげていくように頑張りたい」と意欲を語った。

 東北観光推進機構の小縣方樹会長は「ぜひオール東北で大成功に導いて、東北発信の日本の未来を築き上げていきたい」と述べた。

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