北上・西和賀

大胆、繊細な奥深い刷り 利根山美術館所蔵版画展 初公開含む24点紹介【北上】

利根山光人記念美術館の企画展「反骨のバイタリティー」

 利根山光人記念美術館の企画展「反骨のバイタリティー」(北上市、市教委主催)は、同市立花の同館で開かれている。「太陽の画家」と呼ばれ、国際的に活躍した利根山(1921~94年)の所蔵版画展。画面いっぱいに広がる大胆で明快な色彩、繊細で奥深い刷りの魅力を伝えている。5月30日まで。

 民俗芸能のスケッチや水彩画などを紹介した前年度の所蔵展とは違い、今回は諸外国の風物をテーマに、初公開作品を含む24点で構成。リトグラフや木版画、シルクスクリーンといった技法で描かれた秀作が並ぶ。

 モチーフとして多く取り入れられる牛や馬の躍動感、素朴な民芸品などに見られる単純化され、装飾的な表現がほほ笑ましい。ただそれらは、人間が培ってきた「生命の謳歌(おうか)」「人間性の解放」といった部分に通じるシンボルとも受け取れる。

 同館では「時代への批判・反骨精神を表現してきた利根山画伯。『反骨』が時代や風潮に流されない信念だとすれば、現代に生きるわれわれが自問し、発信すべき何らかの反骨精神を探る機会になれば」としている。

 展示時間は午前10時~午後4時(入館は3時30分まで)。入館料は一般300円、高校生120円、小中学生60円。問い合わせは同館=0197(65)1808=へ。

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