北上・西和賀

盛岡・仙台藩 刀剣にも違い 北上市立博物館企画展 お抱え刀工の逸品公開

北上市立博物館で開催されている企画展「會田コレクションと境界の刀剣」

 北上市立博物館企画展「會田コレクションと境界の刀剣」は、同市立花の同館で開かれている。江戸時代、同市で境を接していた盛岡藩と仙台藩のお抱え刀工が鍛刀した刀を中心に約20振りを公開している。5月12日まで。

 刀剣展は北上展勝地さくらまつり(15日~5月6日)に合わせて開催し、3回目。今回は盛岡、仙台両藩のお抱え刀工が作刀した江戸時代前期から現代までの刀や脇差、短刀など各8振りに加え、名工・長曽祢虎徹の刀をはじめとする博物館収蔵の「會田コレクション」の一部を展示した。

 江戸前期における両藩のお抱え刀工は盛岡藩2家、仙台藩8家で合戦のない二百数十年の間に鍛刀の文化が一時薄れたとされる。幕末の動乱期になると刀の需要が急速に高まり、生産に勢いがなくなった盛岡藩は新規の刀工を採用。

 江戸で最新の技術を学んできた盛岡藩の刀工の作品は刃文の美しさなど技巧が優れていた一方、仙台藩の刀は従来の伝統的な形を踏襲しているなど、両藩の違いを見ることができる。

 同館は「一口に刀といってもいろんな表情を持っているのが刀剣の面白さ。歴史的背景も併せてじっくり鑑賞してほしい」と話している。

 期間中は関連イベントとして刀剣入門講座を開催。第1回の14日は美術刀剣研磨師の菊池真修さん(花巻市)による研磨実演、第2回の5月3日は現代刀匠の宮城典真さん(宮城県白石市)の刀剣講話などが行われる。

 開館時間は午前9時~午後5時。一般500円、高校生240円、小中学生170円。

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