一関・平泉

須川コース立ち入り禁止 栗駒山火山防災協幹事会 火山ガス継続観測へ【一関】

 栗駒山火山防災協議会の第1回幹事会は23日、盛岡市内で開かれた。昭和湖付近で高濃度の硫化水素が観測されたことを受け県は、登山者の安全対策として以前から提案していた登山道の須川コースを立ち入り禁止とし、産沼コースを迂回(うかい)路とする措置を取るほか、通行規制の継続や解除の判断として、県立大と連携して同湖付近の登山道を中心に継続的な火山ガスの観測を実施する方針を示した。

 県立大が昨年に同山の火山ガスの調査を行った結果、同湖付近の硫化水素濃度が基準値(10ppm)の20倍となる200ppmを超える状態が複数回観測された。こうした事態を受け、県の火山活動に関する検討会は、同協議会に対して、登山道の危険性が指摘したほか、登山者の安全確保対策として、火山ガス濃度の常時観測が必要などと助言した。

 県では、登山道の通行規制を実施するに当たり、継続や解除の判断を行う上で火山ガス濃度の継続的な観測が必要と判断。昨年調査を実施した県立大と連携して、登山道を中心とした新たな観測体制を構築し継続的な観測を行う。観測場所や期間については、今後両者で協議し対応を決定する。

 通行規制は須川コースの苔花台から天狗平の区間にバリケードを設置して立ち入り禁止とし、産沼コースを迂回ルートとする。県ホームページをはじめ、チラシや看板を設置して周知を図る。産沼コースについては、雪解けを待ち刈り払いや標識などの安全対策を実施する。

 会議に出席した一関市観光物産課の藤倉忠光課長は「須川コースの立ち入り禁止は、観光面への影響が心配される。今後は産沼コースの整備や魅力の発信に努めていきたい」と話していた。

 県自然保護課の谷藤親史総括課長は「迂回路などの対応が了承されたので、登山者の安全を最優先に登山道の通行止めや迂回路ルートの周知に取り組みたい」と述べた。

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