北上・西和賀

関連2社が開所 東芝メモリ 人的、設備面で協業【北上】

記者会見後、握手を交わすジャパンマテリアルの田中社長(左)とラムリサーチの大和田社長

 半導体・液晶製造向け特殊ガス供給装置製造、販売のジャパンマテリアル(本社三重県菰野町、資本金13億1781万円、田中久男代表取締役社長、JM)は、北上市流通センターに北上事業所を開設した。同社のパートナー企業で米国の大手半導体製造・ラムリサーチの日本法人(本社横浜市、資本金1億6000万円、大和田伸郎代表取締役社長)も入居し北上サービスセンターを設置。25日に開所式が行われ、両社は人的、設備面で協業して北上工業団地に立地する東芝メモリを全面的サポートしていく姿勢を示した。

 JMは三重県四日市市の東芝メモリ四日市工場の主要取引先。東芝メモリの北上立地に伴い、いち早く北上進出を決めた。既に東芝メモリ新工場の供給配管工事などに対応し、生産開始へ技術的にサポートしている。民間から土地を取得し2018年6月着工した。

 北上事業所は鉄骨造り3階建てで敷地面積1万6500平方メートル、延べ床面積9276平方メートル。投資額は土地取得、建物建設、設備など総額約30億円。

 クリーンルームと資材倉庫棟を兼ねた事務所やガス倉庫、薬品倉庫などを併設する。ラムリサーチのほかJM子会社の水処理関係、薬液管理などの4社が入居。東芝メモリへ特殊ガス、薬液などを供給する製造拠点施設となる。

 現時点の従業員は約60人で、半数が現地採用。今後、100人ほどを新規採用し最大で180人規模となる見込み。

 JMは東芝メモリにより近い北上市村崎野に昨年10月、現場事務所として北上事務所を開設。北上事業所は東芝メモリから約4キロで、事務所と事業所の両輪で東芝メモリのニーズに応える。

 ラムリサーチは北上で東芝メモリの半導体製造装置の立ち上げ、メンテナンスを担う。既に東北各地から数十人を採用し、四日市市でメンテナンス技術者を養成している。国内では10番目、東北では初の拠点となる。

 開所式には県や北上市、東芝メモリ、関連業者の関係者100人余りが出席。両社長と保和衛副知事、髙橋敏彦北上市長、野田武則釜石市長、東芝メモリの関係者がテープカットした。

 式後の記者会見で、田中社長は「東芝メモリ発展へやるべきことをきっちりやる。世界で戦えるのは(東芝メモリが製造する)NAND型フラッシュメモリーしかない。それを圧倒的なナンバーワンに押し上げていきたい」と力を込めた。

 大和田社長も「お客さんも入れて(両社と)3者で『ウィンウィン』の関係を築けるかだ。北上の地が世界最大の供給場所となり、その中で地域に入っていく活動も進めたい」と抱負を語った。

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