北上・西和賀

建設現場で災害に備え 東芝メモリ岩手工場 連携強化へ合同訓練【北上】

東芝メモリ建設現場で実施した災害対応訓練

 北上市北工業団地で建設が進められている東芝メモリ岩手工場建設現場で26日、災害対応訓練が行われた。東芝メモリと清水建設をはじめとする工事業者、北上消防署が合同で避難経路などを確認し、防災面で連携強化を図った。

 長期間の大規模工事で作業員が3000人に及ぶ同社の建設現場で災害が発生した事態に備えようと、3者が合同で実施。建設現場での災害対応訓練は管内で初めてで、東芝メモリ、工事業者、消防署から約70人が参加した。

 訓練は5階の工事現場で男性作業員が転落し、負傷した想定で実施。現場に到着した消防署員が負傷者の容体を確認し、応援を呼んで担架で救出した。現場には狭い階段や足場が不安定な場所が点在しており、足元に注意しながら迅速に担架を運び出していた。

 火災を想定した消火訓練も実施し、作業員が消火器の取り扱いを習得した。東芝メモリ北上新工場建設所の川上広行所長(清水建設東北支店)は「訓練をすることでいざというときの対応が変わってくる。災害を発生させないことが一番大事なので、残りの期間も防止に努めていこう」と呼び掛けた。

 同消防署の菅浩城署長は昨年7月に東京都内の建設現場で発生した死亡火災を挙げ、「大規模な建設現場で災害が発生した場合、作業員が安全に避難できるかが鍵となる。工事業者、消防が情報を共有するとともに、痛ましい事故を起こさないよう今一度、日ごろの管理を徹底してほしい」と話していた。

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