ラグビーW杯 釜石開催まで150日 実行委 受け入れ、安全対策着々【岩手】
ラグビーワールドカップ(W杯)が釜石市で開催されるまで、28日で150日となった。チケットの売り上げは好調で、2試合で各1万6000人の来場者が見込まれている。開催地の同市や県都盛岡市を含め受け入れ態勢が整えられる一方、安全対策が重要な課題となっており、実行委員会はテストイベントを通じて交通輸送システムなどの検証を行い、安全・安心の確保に万全を期す。
県や関係団体で構成する実行委によると、釜石会場のチケットは東京、横浜に継ぐ人気。実行委は6月末までに釜石鵜住居復興スタジアムに仮設スタンド約1万席のほか、仮設トイレ約240基などを整備する。
円滑な運営に向け、公式ボランティアとは別に、開催都市独自のボランティアを募集。実行委によると、3月末までに88団体、2万1088人の申し込みがあった。会場周辺の環境美化やおもてなしなど、自由な発想で大会をサポートする。機運醸成に向けては、開幕100日前などの節目に合わせたイベントや懸垂幕の掲示といった都市装飾を企画し、4年に1度のW杯をPRする。
東日本大震災の被災地として世界的な注目を集めていることもあり、本番では徹底した安全対策が求められる。さまざまな自然災害の発生に備え、実行委は釜石東中学校など3カ所を1次避難所に指定する計画を提案。来場者全員が迅速に避難できるのか不安視する声も上がっていることから、関係機関と協議しながら避難計画の詳細を詰める。
このほか、交通渋滞による事故などを回避するため、会場直通のライナーバスの運行などを盛り込んだ交通輸送計画を決定。JR盛岡支社や三陸鉄道に増便を要請し、輸送力を確保する。7月27日に行われる国際大会の日本-フィジー戦をテストイベントに位置付け、効果を検証する。
県ラグビーW杯2019推進室の高松秀一大会運営課長は「観客の皆さんに安心して試合を楽しんでもらうとともに、復興支援への感謝や被災地の姿を発信できるよう“オール岩手”で準備を進めていく」としている。