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贈り物に見る南部家の交流 盛岡・歴史文化館企画展「殿さまのギフト」

南部家への贈答品など約100点を展示しているもりおか歴史文化館の企画展

 盛岡市内丸のもりおか歴史文化館で、企画展「殿さまのギフト」が開かれている。江戸時代に盛岡藩を治めた南部家が天皇家や各地の大名らから贈られた品などを紹介。それぞれの品に込められた思いとともに、南部家とさまざまな人との交流を伝えている。

 天皇家から南部家に贈られたとされる硯(すずり)をはじめ、2代将軍徳川秀忠が2代盛岡藩主南部利直に手渡したという火縄銃、南部家と婚姻関係を結んだ各地の大名からの嫁入り道具など約100点を展示している。

 このうち「略太刀拵(りゃくたちこしらえ)」は、9代水戸藩主徳川斉昭の六女明子(松姫)が、15代盛岡藩主南部利剛に輿(こし)入れした際に持参した婚礼調度品の一つ。拵に水戸徳川家の家紋「三つ葉葵(あおい)」があしらわれ、白鞘(しらさや)には太刀の来歴が記されている。

 豊臣政権下の大名として京都にいた初代盛岡藩主南部信直が、1596(文禄5)年に娘千代子に宛てた書状も公開。「何事もなく元気でやっているか」「私たちも息災に過ごしているので心配しなくていい」といった内容が書かれており、父親としての娘に対する愛情がうかがえる。

 同展は6月23日まで。時間は午前9時~午後7時。毎月第3火曜日(祝日の場合は翌日)は休み。同館の小西治子学芸員は「現代に通じる贈り物に込めた思いや、南部家と人々のつながりを感じてほしい」としている。

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