新調鶏冠着け晴れ晴れ 萩荘中生運動会で鶏舞【一関】
一関市立萩荘中学校(青柳清隆校長、生徒178人)で18日、運動会が開かれ、全校生徒が鶏舞を披露した。2018年度に3年生(当時2年生)が作製した鶏冠(けいかん)を身に着けて初めての演舞。地域の伝統を受け継いでいく意気込みを堂々とした舞いで示した。
鶏冠作りは、これまで身に着けていた鶏冠が長年の使用で破れたり、変形したりした状態だったことから、生徒に地域の伝統芸能の継承に理解を深めてもらおうと昨年12月に開始。20年度まで3年がかりでその年の2年生が手作りし、全校生徒と予備分210組を更新する。昨年度は生徒の作った58組に加えて地域の有志の協力で目標の70組を完成させた。
運動会には生徒の保護者をはじめ、地域住民ら大勢が詰め掛けた。真新しい鶏冠をかぶった3年生を先頭に、衣装を身にまとった全校生徒が入場。太鼓の音に合わせて跳ね踊り、練習の成果を軽やかな舞で見せると会場から温かい拍手が送られた。
練習の指揮を執った郷土芸能委員長の佐藤隆斗さん(3年)は「中学生活最後の運動会で、来てくれた人たちにきれいな鶏舞を見てもらえるよう練習してきた。小学校から続けてきた鶏舞で思い入れは強い」、生徒会長の菅原美桜さん(3年)は「鶏冠作りは細かい作業も多く想像以上に大変だったが、自分で作った鶏冠で踊れて良い思い出になった。大人になったら同級生とまた一緒に踊ってみたい」と笑顔を見せた。
生徒を指導している旧萩荘二中OBの蘓武博史さん(69)=同市萩荘=は「素晴らしい舞だった。生徒自らが鶏舞の伝統を守ろうと活動してくれて頼もしく思う。これからもずっと受け継いでいってほしい」と期待していた。