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救急医療充実に期待 県立中央病院ヘリポート きょう運用開始【岩手】

県立杜陵高校敷地内に整備された県立中央病院のヘリポート

 盛岡市の県立中央病院(宮田剛院長)のヘリポートとして、同市上田の県立杜陵高校敷地内に整備された施設の開所式は20日、現地で行われた。21日に運用を開始する。盛岡地区の救命救急医療体制の充実や災害対応、救命率の向上などが期待される。同病院のヘリポートが完成したことで、県内全ての拠点病院敷地内や隣接地にヘリポートが確保された。

 式には病院や県、学校などから関係約30人が出席。関係者らがテープカットを行い、ヘリポートの開所を祝った。

 宮田院長は「岩手県のセンター病院として、中央病院が果たす役割は大きい。沿岸部や山間部からの救急搬送など、より多くの命を救えるように有効に活用していきたい」とあいさつ。野原勝県保健福祉部長は「ドクターヘリによる救命救急体制の一層の強化、災害拠点病院としての機能強化が図られる」と期待を込めた。

 同病院によると、ヘリポートは同校の敷地の一画を借りて17年に着工。高さは約15メートルで風圧対策として高架式のヘリポートとなっているほか、同校の校舎は防音サッシなどの対策を実施している。総事業費は約7億6000万円。

 これまでは、ドクターヘリが盛岡東警察署の屋上、冬季は県営球場の駐車場に着陸し同病院に患者を搬送していた。同病院への搬送距離は同署から約2・2キロ、同球場から約2・5キロで、今回完成したヘリポートからは約200メートルと大幅な短縮になる。

 同病院への18年のドクターヘリの搬送実績は20件で県全体の6%となっている。搬送されてくる地域では、岩手町や葛巻町、大船渡市など沿岸部からの患者が多くなっている。

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