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“イタリア”をスケッチ 県立美術館 千葉勝(奥州出身)常設展【岩手】

常設展第1期展示で特集している千葉勝のスケッチ

 水沢市(現奥州市)出身でイタリア・トスカーナ地方の街と自然を描き続けた画家千葉勝(本名・勝男、1926~87年)の作品を特集する県立美術館の常設展・第1期展示は、盛岡市本宮の同館で開かれている。風景のスケッチを中心に紹介し、千葉の油彩作品との関連やイタリアでの暮らしが分かる展示となっている。7月28日まで。

 千葉は、宮城県仙台第一中学校(現仙台一高)在学中に徴兵されるが、戦後は郷里に戻り、画家の道を志した。好んで使っていた「バーンド・シエナ(焼けたシエナ土)」という赤褐色の絵の具が、トスカーナ中部の古都シエナに由来することを知り、その色を自分の目で確かめるため、32歳で伊へ渡航。中世の面影を残すシエナの旧市街地や、オリーブの木々が生い茂る緩やかな丘の連なるトスカーナの田園風景に魅了され、四半世紀にわたってその街や自然を描き続けた。

 油彩ではオリーブの緑色、レンガの茶色、広大な青い空などトスカーナの自然や暮らしと深く結び付いた色彩と、空と大地の稜線のみで構成した抽象表現で知られる千葉の作品。特集では油彩の表現の要素となるモチーフが繰り返し登場するスケッチが並ぶ。

 スケッチのほとんどは初公開で、迷路のように入り組んだ街の細い路地や、塔のある広場、丘の連なる風景など千葉のイタリアでの暮らしが垣間見えるものばかり。同館の吉田尊子学芸普及課長は「スケッチで描いた風景、心に残ったものが本作になっていくプロセスが分かる展示になっている」と話す。

 同館では明治から現代まで岩手ゆかり作家の作品を収集し年4回展示替えを行い所蔵作品を公開。常設展第1期展示は来月9日までを前期、11日から7月28日までを後期として開催されている。

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