奥州・金ケ崎

ブラックホール撮影報告会 国立天文台水沢観測所 本間所長ら研究の魅力、成果解説【奥州】

ブラックホール撮影について語るEHT本間チームの3人

 史上初めてブラックホールの撮影に成功した国際研究プロジェクト「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)」で、日本の研究者代表を務めた国立天文台水沢VLBI観測所の本間希樹所長、チームのメンバーとして活躍した小山友明さん、田崎文得さんが25日、奥州市水沢星ガ丘町の奥州宇宙遊学館で報告会を開いた。報告会は同観測所の地元水沢南地区住民と国立天文台関係者限定で、国内初開催。住民らは研究者が語るブラックホールの魅力や画像化の過程についての話に興味深く耳を傾けた。

天文学者100年の悲願

 EHTは日本をはじめ、欧米や東アジアなどの研究者200人が集まり、ネットワークで地球と同じ大きさの“望遠鏡”を形成した観測データを基に、M87銀河の中心にある巨大ブラックホールを画像化。物理学者、天文学者が100年にわたって成し得なかった撮影に成功した。

 報告会では、初めに本間所長が講演。「非常に意義を持った研究成果」と切り出し、▽何が見えたか▽どうやって撮影したか▽水沢の貢献―などについて動画や画像などを使って解説した。

▲国際共同研究プロジェクトEHTが史上初めて撮影に成功したブラックホールの姿(EHTコラボレーション提供)

 ブラックホール画像を見せながら「通常の天体は真ん中が明るい。理由があって暗い。ブラックホールは光を出さない特徴を端的に表す画像だ」と強調。「穴の部分はブラックホールの影で、周りのドーナツ状のものはブラックホールにまとわりついた『光の衣』。球状で立体的なもの」と説明した後、「ドーナツというより、イチゴをブラックホールと仮定してイチゴ大福のような感じ」と菓子の画像を見せて笑いを誘った。

 国際プロジェクトで意見の相違を束ねるのに苦労したというが、「それでも今後も続ける」とし、「ジェットの根元が写らなかった。さらに観測所が増えることになっているので解像度が上がる。次の3年が勝負とみて、根元の画像を押さえたい」と抱負を語った。

momottoメモ

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歴史的快挙 地元に感謝
画像解析に1日12時間

▲研究成果を報告する本間所長

 奥州市では6月2日午前10時から同市水沢佐倉河の市文化会館(Zホール)で「ミスターブラックホール本間チーム講演会」を開く。

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