一関・平泉

産沼コースの現状確認 栗駒山 関係者が合同パトロール【一関】

産沼コースの合同パトロールで登山道の注意点を確認する一行
「ゼッタ沢の渡り」を越える一行。大雨などで増水時は注意が必要と確認した

 岩手、宮城、秋田の3県にまたがる栗駒山(1626メートル)で29日、岩手県側登山道の産沼コースを往復する合同パトロールが行われた。須川コースが昭和湖付近で高濃度の硫化水素ガスが観測され一部立ち入り禁止となっていることから、迂回路となる産沼コースの現状を確認するため。雪解けが進むにつれて登山者も増加すると見込まれる中、県など関係機関・団体が安全対策に備えた。

 登山道を管理する県が主催し、岩手南部森林管理署、一関市、NPO法人須川の自然を考える会などから19人が参加。須川高原温泉の登山口を出発し、ゼッタ沢コース、名残ケ原を経て、苔花台から産沼コースに入った。

 登山道の整備などを受託している同法人の熊谷隆さん(59)が案内し、産沼コースには「ゼッタ沢の渡り」「三途の川」と呼ばれる2カ所の沢があり、大雨などで増水時は無理して渡らないこととした。三途の川から山頂までの間には段差の大きい「四苦八苦坂」などがあり、笹やぶが登山道を覆うほど生い茂っていたほか、岩と水たまりで足元の悪い箇所が多くあった。

 一方で、雪渓と新緑の美しいコントラスト、豊富な高山植物が見られる自然観察路など産沼ならではの見どころも確認した。

 一行は登山道の目印となるピンクテープを木の枝に付けたり、整備が必要と思われる箇所を写真に収めたりした。下山後は今後の整備について方針を確認し、笹の刈り払いは同法人が6月から進め、その他の枝などは必要に応じて生態系保護などに配慮しながら県と森林管理署で検討するとした。

 県自然保護課自然公園担当の菊地敬主査は「沢や急坂はあるが、道が開ければ初心者でも比較的行けるコースだと思う」と評し、熊谷さんは「花の時期には登山者が押し寄せる。けがなく楽しんでもらえるよう整備し、ガイドのようなサービスも始めて思い出づくりを手伝いたい」と話していた。

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