残雪踏み、頂上に 早池峰山山開き 愛好家が大自然満喫
花巻、遠野、宮古の3市にまたがる早池峰山(1917メートル)の山開きが9日行われた。県内外の登山愛好家が眼下に広がる眺望や高山植物を楽しみながら険しい岩場を踏みしめ、山頂を目指した。【15面に関連】
小田越登山口で行われた入山式では、早池峰国定公園地域協議会長の上田東一花巻市長に代わり、清水正浩市大迫総合支所長が「早池峰の自然と恵みを次の世代に伝えるのが私たちの責務。今後も関係機関の皆さまの理解、協力を頂きながら環境保全に取り組みたい」とあいさつ。3市の代表者がテープカットしてシーズン到来を祝った。
爽やかな好天に恵まれ、登山者は約600人に上った。樹林帯を抜けて急峻(きゅうしゅん)な岩肌を進み、9合目付近に広がる残雪を越えて頂上へ。ナンブイヌナズナや固有種のヒメコザクラなどかれんな高山植物をカメラに収めたり、雄大なパノラマを眺めながら空気を吸い込んだりと、大自然を満喫しながらそれぞれのペースで歩を進めた。
山頂では記念の絵馬が配られた。関係者が玉串をささげて今シーズンの安全を祈願し、花巻市大迫町の岳神楽保存会が権現舞を奉納した。
2時間ほどで登頂した菅原史絵さん(42)=矢巾町室岡=は「上まで行けるか心配だったが、人がたくさんいたので安心して登ることができた。山も花も美しかった」と語り、長男の琥太朗君(11)は「最初は難しかったけど岩場が楽しそうだったので頑張った」と達成感をにじませていた。