県内外

農業所得、目標上回る 全農いわてプロジェクト モデル経営体成果発表

モデル経営体代表者が取り組みの成果や今後への思いなどを語った県農家手取り最大化プロジェクト成果発表会

 JA全農いわてによる「県農家手取り最大化プロジェクト成果発表会」は14日、奥州市江刺の市江刺農業活性化センターで開かれた。農業所得20%アップを目標値にモデル経営体を選定して2016~18年度の3カ年で行った同プロジェクトの総括と、今年度から3カ年の取り組みの説明、モデル経営体の発表などが行われ、参加した生産者や県内JA関係者が熱心に耳を傾けた。

 農家手取り最大化の取り組みは、持続可能な農業生産・農業経営の確立へ、モデルJA・経営体を選定し、物財費削減、労働費低減(省力化)、生産性向上の実践メニューでの生産コスト削減を16~18年度で実証し、15年度を基準に18年度で農業所得20%アップの目標達成を目指した内容。

 県内ではJA新いわて、JAいわて中央の2JA・11経営体をモデル選定。▽大型規格農薬の導入▽高密度苗(乳苗)移植栽培▽湛水(たんすい)直播栽培(鉄コーティング)-など13の実践メニューの中から各経営体がそれぞれ取り組んだ。

 発表会では、JA全農いわて営農支援部の加澤直志営農技術課長が3カ年の取り組み総括について説明。11モデル経営体の合計値による農業所得は18年度推測値で7441万1000円となり、15年度対比で25・7%増(米概算金・直接支払交付金は除外)と目標を上回る成果が得られたことを示した。

 モデル経営体の発表では、髙橋農産(紫波町)の髙橋信代表、農事組合法人ユニティファーム七区(八幡平市)の髙畠武已代表取締役がJA関係者とともに出席。司会者の質問に答える形で、高密度苗移植、土壌診断に基づくオーダーメイド肥料導入などの取り組みとともに成果を述べた。

 これから取り組みたいことについて、髙橋代表は「人口が減ったり、高齢化する中で直播は必要な技術。これからも直播栽培を普及させていければ」と力説。髙畑代表取締役は「地域の雇用の場として法人を運営していきたい」と事業拡大への意欲を語った。

 19~21年度の取り組みについては、同部の阿部貴明営農支援課長が説明。プロジェクトの成果や実践メニューを県内全JAへ水平展開させていくことや、県内7JA・9経営体を新たにモデル経営体として、販売強化など新規内容を盛り込んだ17の実践メニューを提案し、手取りアップに向けて取り組むとした。

 同日はこのほか、ドローン(小型無人飛行機)実演会なども実施した。

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