北上・西和賀

シェアサイクル 北上で実証実験 市など3者 新たな交通システムへ

シェアサイクル実証実験事業がスタートし、決意を示す(左から)富樫社長、髙橋市長、八重樫会長=北上市役所前

 北上市と盛岡市のベンチャー企業・リコネクトリレーションズ(富樫建代表取締役社長)、北上観光コンベンション協会(八重樫守民会長)は25日、北上市内でシェアサイクルサービス「チャリオ」の実証実験を始めた。県内で自治体も入った実証実験は初の試み。電動アシスト自転車を利用し手軽に公共施設や商業施設、観光地を移動し、市民のほか観光客、ビジネス客の交通手段を確保する狙い。2次交通を含め、都市の新たな交通システムとして成果が注目される。

 シェアサイクルは「ポート」と呼ばれる置き場にある電動アシスト自転車をポート間で自由に利用でき、どこのポートにも乗り捨て可能。パソコンやスマートフォンで基本情報を登録し、自転車を予約すればポートで借りることができる。

 市内では春の北上展勝地さくらまつり期間中、同社と同協会がJR北上駅東口と展勝地間でシェアサイクル事業を行い女性層を中心に97件の利用があり、渋滞緩和に一役買った。この実績を踏まえ3者は観光地や商業施設への誘客、新たな交通システム確立に向け、実証実験に踏み切る。

 ポートは市役所と同駅東西両口、展勝地レストハウスに加え、7月中にさくら野百貨店北上店、江釣子ショッピングセンターパル、鬼の館、さくらホールの計8カ所に拡大する。

 市役所前でのセレモニーで、髙橋敏彦市長は「さくらまつりの利用者には非常に好評だった。地域内交通を補完する手段としてもタイムリーで、一緒に自転車活用のまちづくりを進めたい」と抱負。八重樫会長も「自転車で花見をしたいとの問い合わせもかなりあった。新たなサイクリングマップを作り、北上に新しい魅力を生み出したい」と決意を語った。

 富樫社長は「北上は外国人に風景を積極的に提案する姿勢が強く、半導体企業の立地で新しい交通の在り方も出てくると思う。皆さんのご支援を賜りたい」と強調。観光やビジネス、日常生活でのちょっとした移動手段として利用を呼び掛ける。

 実証実験の期間は同日から2021年5月末までの2年間で、12月~翌年3月は休業する。利用料金は15分80円で、24時間最大で1500円。同社が運営主体となり、市はポートを提供。同協会はサイクリングマップを作製する。市や同協会はホームページや各媒体でPRに努める。

 シェアサイクルは首都圏ではバスや地下鉄など通勤の補完手段として利用され、同社は盛岡市内で社単独で事業を始めている。今後は北上市のほか、花巻市も含めて広域的に展開したい考え。

 利用は「ハローサイクリング」のサイトを参照。詳細はリコネクトリレーションズ=019(656)1386=まで。

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