北上・西和賀

宵闇舞台に“光のショー” 口内 夏告げるホタル乱舞【北上】

光のショーが繰り広げられている北上市口内町のホタル乱舞=佐藤さん撮影、25日午後9時ごろ

 初夏の訪れを告げるホタルの乱舞が、北上市内で盛んになっている。水路などを舞台に暗闇の中で織り成されるほのかな黄緑光のショーは、見る人を幻想的な世界に誘っている。

 同市口内町で長年ホタルを観察している無職昆野和夫さん(69)の案内で、撮影に臨んだ同市本通りのカメラマン佐藤彰芳さん(39)は、同町内の水田地帯で25日午後8時から1時間ほど、明滅する光に向かって夢中でシャッターを切った。

 体長1~2センチほどの小さな体で、ルシフェリンと呼ばれる発光物質が関わる化学反応で光を放つホタル。田んぼ近くの水路沿いの草むらで黄緑色の光が点滅し始め、淡い光が次第に水辺から飛び立ったり、降りたりして光の軌跡を描いて乱舞する光景が見られた。

 当日夜は晴れて涼しく、少し風が吹いていた。佐藤さんは「ホタルの撮影は数度目。普段目にしない光景だけに夢中になってシャッターを切った。手に止まるほど多くのホタルが出現し、手付かずの自然が残る良い所だと感じた」と自然の豊かさを実感した様子。

 昆野さんによると、町内では平年より数日早めの4日から舞う姿が確認され、次第に数が増している。ゲンジボタルからヘイケボタルへと舞う種が移り、時期によっては一緒に飛ぶ光景も見られるという。昆野さんは「昔の環境がそのまま残っており、目の前に豊かな自然があることはありがたい」と話している。7月中旬ごろまでは楽しめそう。

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