北上・西和賀

県産バナナ 市場へ ごろすけACファーム ハウスでこだわり栽培【北上】

高さ4メートルはある巨大なバナナをチェックする大澤代表取締役=6月27日
今月にも収穫

 北上市相去町の農業法人・ごろすけACファーム(大澤啓造代表取締役)は、市内でバナナの栽培を進めている。7月下旬から8月にかけ最初の収穫期を迎える見込みで、出荷されれば商業ベースで生産されるバナナは県内初とみられる。南国育ちのバナナだけに、寒冷地で無農薬栽培に取り組んでいる同社は初収穫に期待を高めている。

 同社は、約1メートルのバナナ苗42本と培養土を岡山県の農業法人から購入し、2018年9月に同市平沢の圃場(ほじょう)に整備した2・4アールのハウス内に定植。冬場は暖房を使って室温を最低17度に保った。

 現在、室温30度を超すビニールハウスの中に、青々と大きな葉を付けたバナナが大きい物では4メートル以上に成長している。生育が順調に進めば今シーズンは、苗1本当たり180本、全体では約7500本が収穫できる見通し。苗は3年間に5回収穫できるといい、合計すると3年間に約3万8000本の生産を見込んでいる。

 栽培しているのは、半世紀前まで世界的に主流だった「グロス・ミシェル」という品種で、濃厚で甘みが強いのが特徴。購入した苗は、この種苗を特殊な液体に浸し冷凍庫で約半年かけ、氷点下60度までゆっくり冷却し解凍してから育てた「凍結解凍覚醒法」と呼ばれる手法で育成されたもの。

 耐寒性を備えるほか、生育速度が飛躍的に向上し病害虫への耐性も高まるため、無農薬栽培が可能となって皮まで食べられるという。

 盛岡市出身で、神奈川県で広告代理店などを手掛けている大澤代表取締役(70)は食への強い関心から、バナナで「凍結解凍覚醒法」を開発した岡山県の田中節三さんと3年前に知り合ったことを縁にバナナ栽培を決意した。

 生産が順調に進めば、収穫物の出荷以外にも、加工品の開発やパパイヤ、パイナップルなどバナナ以外のトロピカルフルーツの栽培などにも挑戦したい考え。「当面は取り組みに刺激を受け、自分たちもやってみたいと思って挑戦する若い就農者が増えることに期待している」と話す。

 県農産園芸課によると、県内でバナナを出荷する農家は把握されていない。

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