花巻

運動会に聖火トーチ 前回の東京五輪で使用 リレー走者山本さん提供 思い出づくりへ活用【花巻】

トーチとシャツを見ながら運動会での活用法を探る園長たち
トーチの柄部分。「1964」「TOKYO」などの文字がある

 花巻市石鳥谷町で、1964年の東京五輪聖火リレーで使用された実物のトーチを保育園児の運動会に活用し、2020年の五輪ムード醸成に一役買おうという企画が持ち上がっている。当時聖火ランナーを務めた同町在住者らの協力で実現するもので、子供たちの思い出づくりをサポートしようと、地元の保育園職員まで含めた関係者が知恵を出し合っている。

 同町好地で電器店を営む山本保雄さん(76)は、前回東京五輪の際、旧石鳥谷町内を聖火ランナーとして走った経験を持つ。山本さんの弟の純雄さん(69)は社会福祉法人・石鳥谷保育協会理事長を務めており「前回の東京五輪を知らない世代である園児、父兄がこのトーチを使用してイベントをすることで、この町からもオリンピック開催に向けて機運を盛り上げていきたい」と、保育園運動会での活用を発案したという。

 このアイデアを受け同法人は、運営する町内全5保育園を対象に園長会議を招集。5人は実際に聖火リレーで保雄さんが着用したランニングシャツとトーチに触れ、秋に予定する運動会での効果的利用法を模索した。園長たちからは「思ったより軽い。これなら子供でも持てる」「もし2本あれば紅白の入場行進で使える」「保護者たちにもアピールできそう。前回東京五輪の年に生まれた人で行う競技を設けてはどうか」など、ユニークな発想も飛び出していた。

 思い出の品で子供たちを後押しできるとあって、保雄さんはこれらの企画を歓迎。「ただしまっておくだけの物にせず、みんなで何か面白い事をしてほしい。あの時は町内を5人でリレーしたが、幸い全員元気で暮らしている。もう一本借り受けることも可能だと思う」と喜ぶ。純雄さんも「可能なら5保育園すべてで使ってほしい。それぞれアイデアを出し、園長を中心に、自主性と一体感を持って実施してもらえたら」と、理事長としても期待を寄せる。

 保雄さんらによると、前回東京五輪時は、9月に旧石鳥谷町内を5人でリレーした。トーチからは視界を遮るほどの煙が立ち上り、かなりの白煙が確認できる写真も残っているという。

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