北上・西和賀

「記憶」「夢」木版画で表現 諄子美術館 渡邊さんが作品展【北上】

諄子美術館で個展を開いている渡邊加奈子さん。柔らかな階調が魅力的な作品を展示

 版画家・渡邊加奈子さん(39)=東京都=による個展が、北上市大通りの諄子美術館で開かれている。濃淡の異なる複数のにじみが柔らかな階調を創り、彫らない木版画独特のぬくもりや静寂な魅力を放っている。8月10日まで。

 渡邊さんは多摩美術大大学院美術研究科修了。鹿沼市立川上澄生美術館木版画大賞展、飛騨高山現代木版画ビエンナーレでは大賞を受けたほか、2017年には利根山光人記念大賞展でも大賞に輝くなど、作品に込められた豊かなイメージが高い評価を得ている。

 利根山光人記念大賞展大賞の副賞として今年2~3月には市生涯学習センターで個展を開いた。こうした縁やその際に出会った人とのつながりなどもあり、諄子美術館での開催が実現した。

 今回は近作を中心に25点を展示。木版画といっても彫刻刀などで彫らない技法で、何度も和紙に刷り重ねることで色をにじませ、ぼかしを生み出す。予測できない染み込みや版木の木目も表現として生かされている。

 制作テーマは「記憶」や「夢」。渡邊さんは「その時の記憶がよみがえってくるような作品を目指して制作している。(作品の特徴から)会場はもやっとした霧のような空間になっているので、ぜひ見てもらいたい」と話している。

 同館では常設展コーナーも模様替えされ、青を中心にした絵画や立体といった展示物が並ぶ。

 開館時間は午前11時~午後4時。入館料は18歳以上200円。月・木曜日休館。

 問い合わせは同館=0197(63)2441=へ。

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