花巻

集落跡、古墳に着目 豊沢川流域のエミシ 文化財センター企画展・9月まで【花巻】

豊沢川流域の遺跡などを解説している市総合文化財センター企画展
出土品や文献展示

 花巻市の豊沢川沿いの集落跡、古墳をテーマにした企画展「豊沢川流域のエミシ」は、同市大迫町の市総合文化財センターで開かれている。古墳時代から奈良、平安時代の遺構や遺物を通し、律令(りつりょう)政府側から「蝦夷(エミシ)」と呼ばれた当時の人々を知る展示。豊沢川沿い遺跡に特化した企画展は同センター初の試みで、地域の歴史愛好家の関心を集めている。9月23日まで。

 エミシと国家側との関係は奈良~平安期前半を中心に移民や城柵設置といった記録が残るが、北上川西岸主支流「豊沢川」流域のエミシに言及した物はごく少なく、その動向は不明部分が多い。今展では市内遺跡からの出土品や文献資料を通し、花巻の先人の姿や周辺との交流を探ろうと企画された。展示に関連し、大迫ゆかりのアイヌ絵師・平澤屏山(1822~76年)の複製作品も鑑賞できる。

 会場には、同センター企画展初登場の個人蔵資料など50点以上が並ぶ。同市の古館(Ⅱ、Ⅳ)と法領、万丁目、下坂井(Ⅰ、Ⅱ)、熊堂古墳群から見つかった土師器(はじき)や土製紡錘車、勾玉(まがたま)といった出土品のほか遺跡地図や発掘調査時の写真、解説文もあり、見どころ豊富な展示となっている。

 このうち古館遺跡のコーナーでは、赤と黒の土師器を併置して紹介。祭祀(さいし)用とみられる赤は顔料の明るい色彩、日常生活で使われたという黒は灰や木葉を利用した「黒色処理」の巧みさが目を引く。北海道の「擦文(さつもん)土器」様の物が北方文化との交流もうかがわせ、同センターの菊池賢学芸員は「文献があまり残っていない時代だが、当時の花巻にも人々の暮らしや交流があったことを知ってもらいたい。これだけ大きな規模で豊沢川流域にスポットを当てた展示は初めてなので、皆さんに見ていただきたい」と話す。

 開館は午前9時~午後5時。一般入館料200円。同展に関連し、8月4日に同センターで、岩手大の樋口知志教授による講演会が行われる予定。問い合わせは同センター=0198(29)4567=まで。

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