おしごと頑張る⇒報酬で景品交換 東和学童クラブ【花巻】
花巻市東和町の東和学童クラブで、地元企業が開発した「がくどう おしごと通帳」が導入され、実社会の取引を思わせるリアルさとユニークさで子供たちに喜ばれている。学童クラブ内の美化活動や片付けといった「仕事」に応じて支払われる報酬を「預金」し、額に応じた景品と交換できるシステム。児童の社会性獲得や労働意欲醸成に効果を挙げているといい、地域の関心を集めている。
通帳記帳プリンターの製造ノウハウを生かした「読書おもいで帳」を手掛ける新興製作所(同市大畑)が開発。片付けや清掃といった仕事の種類ごとに同クラブ内で使える報酬が加算され、通帳で残額を確認する。たまった額に応じてペンケースやスタンプ、ミニタオルなどと交換できる仕組みだ。
同クラブの「読書おもいで帳」導入に際し、関係者が「おしごと版」のアイデアを同社に打診したのが開発のきっかけ。同社製品開発部の鈴木俊一部長(59)は「読書版は各地で使われているが、おしごと版は全国初の導入とみている。大人が働いてお金を得ていることを(通帳を使うことで)子供たちにも実感してもらえたら」と活用の広がりに期待を寄せる。
社会人さながらに記帳、取引などが疑似体験できるとあって子供たちの評判は上々。クラブ内で新たな仕事を見つけたり、欲しい景品のために頑張る姿勢を示したりする児童もいるという。同クラブに通う東和小学校5年の浅沼凜寧さん(10)は「今までやってきた仕事が(通帳なら一目で)見られるので便利。(ためた報酬で)筆箱と交換したい」と笑顔で話していた。
