奥州・金ケ崎

地域のなりわい映す 市教委 所蔵民具を調査、台帳化へ【奥州】

おだき文化財整理室で行われている奥州市所蔵民具の調査

 奥州市教委は8日まで、同市江刺愛宕字西下川原のおだき文化財整理室で市所蔵民具の調査を行っている。調査の対象は、市民の衣食住に使われた日用品や農耕具に加え、販売用の履き物や漁網の材料や道具など、地域のなりわいが垣間見える資料の数々。今回は資料番号を付けるとともに資料の概要を記録する基礎的調査が行われている。同市教委歴史遺産課企画管理係の高橋和孝さんは「民具からは市民生活のありようが見える。まず何があるのか台帳化して、今後の活用を検討する材料としたい」と話している。

 調査している民具は、旧皐水記念図書館を取り壊す際に同整理室に移動した物。同図書館は旧水沢市時代に「市民俗資料室」として、武家住宅資料館となった内田家にあった民具を保管したという。このほか、市民からさまざまな民具も寄せられていたが、全体像は見えない状態となっている。

 同市教委では「民具の多くは近世の村単位など極めて狭い地域の中で育まれてきたもので、地域のなりわいなどの特色が顕著に現われる」として、合同会社AMANE(堀井洋代表社員、本社・石川県能美市)に基礎的調査を委託した。

 内容は、靴やわらじ、釜、紡ぎ車、食器、馬具、牛馬に付けた農耕用具、毛やりなどで、点数は500点以上。先月末から今月8日までの調査期間で、資料番号を付け、名称や形態などの記録を付ける。

 堀井代表社員は「江戸から明治、大正といろいろな民具を見てきた。民具は代替わりや災害などで無くなってしまう物だが、これだけの物が残っているのはなかなかない。他で見たことがない牛用の蹄鉄(ていてつ)や農耕具があるなど、この地域の特徴も見える」と特徴を語っている。

 また、調査に当たっている堀井美里さんは「わらじの材料やそろばんなど商業に関係する物が保存されている」といい、「漆器など状態が良い物も結構ある。民具は使うことで次の世代につながる物。基礎的な調査の後、地域で活用できるようなことを考えてもらいたい」と話している。

 同市教委では、調査結果はリストとしてWeb博物館での公開などを検討している。

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