一関・平泉

魅惑の羽模様125種 元小学校教諭千葉榮市さん こつこつ採集、標本展示【一関】

千葉さんが長年かけて採集したチョウを公開している東北労金一関支店の昆虫標本展

 夏休み特別企画として、一関市山目字前田の元小学校教諭・千葉榮市さん(71)による昆虫標本展が、同市三関の東北労働金庫一関支店で開かれている。千葉さんが県内外でこつこつと採集したチョウを公開し、繊細な美しさが見る人を引き付けている。30日まで。

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 展示されているチョウは125種。漆黒のクロアゲハ、小さなシジミチョウ、ヒョウ柄のヒョウモンチョウなど大きさも色合いもさまざま。本県では珍しいウラギンシジミもあり、同市東山町松川で発見した千葉さんは「温暖化で北上してきたのか、お彼岸の墓参りで見つけた。ちょうどあった魚捕りの網で捕まえた」と振り返る。

 農家出身の千葉さんは子供の頃から山で遊び、虫を捕まえて楽しむ中で「トンボやセミは色がくすんでしまう。チョウは色が割と残り、模様もいろいろある」と標本化に魅力を感じていた。20代で県北地方の小学校に赴任すると、同好の士に教わりながら休日に野山でチョウを採集するようになった。今回展示した標本のほとんどはその14年間で製作したという。

 千葉さんは「動かない羽を水平に広げ、触角を伸ばすのが難しい。ピンで留め、乾燥して固くなるまで最低1週間かかる」と細やかな作業を明かし、「5年ほど通い続け、転勤する年にやっと見つけたチョウもある。小学生も分かりやすいように説明を付けたい」と思い入れをにじませる。

 平日午前9時~午後3時に無料で鑑賞できる。

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