花巻

古き良き時代今に 花巻電鉄 花巻西鉛線廃線50年 乗車体験や資料展示

乗車体験が行われている「馬面電車」内。懐かしい昭和の香りが漂う

 1969年まで地域住民の足として親しまれた花巻電鉄の「併用軌道 花巻-西鉛線」廃線から50年の節目にちなみ、花巻市材木町の市民の家で記念イベントが開催されている。昭和の香り漂う写真や資料が豊富に展示されているほか、日ごろは車中に入れない同鉄道「馬面(うまづら)電車」の乗車体験も実施中。半世紀前の懐かしい姿が、市民を古き良き時代にいざなっている。20日まで。

▲市民の家では「花巻西鉛線」廃線時の写真を展示中。来場者が思い出話に花を咲かせる

 花巻電鉄は大正~昭和の時代、地域に点在する温泉郷と市街地を結ぶ交通機関として親しまれた。鉛線(69年8月31日廃線)は最大幅1・6メートルの制限があったことから、両側の座席に腰掛けると互いの膝が触れ合うほど狭く、前方から見た細長い姿は「馬面電車」と呼ばれた。

 イベントは、花巻に残る貴重な文化遺産を紹介する「Act21」主宰で同市中北万丁目の菅原唯夫さん(70)が主催。展示コーナーには、廃線に際して行われた「お別れセレモニー」の様子を収めた写真、菅原さんの活動に共鳴して市民から寄託された資料など数百点が並び、映像を見ながら思い出話に花を咲かせる市民もいる。当時使用された時刻表や切符、関連書などもあり、マニア心をくすぐる展示にもなっている。

 一方、馬面電車の乗車体験は、子供からお年寄りまで幅広い年齢層に人気。乗り物好きの幼児の傍らで、車内にカメラのレンズを向けたり、座席に腰掛けて「やっぱり狭いね」などと実感したりする市民の姿もある。家族5人で11日に訪れた同市石鳥谷町の髙橋叶ちゃん(4)は「電車大好き。面白かった。いつもは入れないから乗りたかった」と喜んでいた。

 乗車体験できる車両は、当時鉛線で活躍していたデハ3号。現存するのはこの1両のみといい、菅原さんは「西鉛線でスキーに行く時(車内が狭く)邪魔だと言われたのが懐かしい。この近代遺産を次世代に継承するため、花巻電鉄に乗った経験のあるおじいちゃん、おばあちゃんが孫世代を連れて見に来てくれたらうれしい。そのためのお盆期間開催でもある」と、多くの来場に期待を寄せている。

 展示、体験乗車とも無料。午前9時から午後5時公開。問い合わせは菅原さん=090(9532)7434=まで。

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