一関・平泉

ふん放置、放し飼い… モラル持って犬の散歩を 観自在王院跡【平泉】

観自在王院跡の北側入り口に設けられた犬の飼い主へモラルを持った行動を呼び掛ける看板。景観への配慮などから新規の掲示は難しく、関係者も対応に頭を抱えている
観光客から苦情も

 世界遺産「平泉の文化遺産」の構成資産で、史跡公園として整備されている平泉町の観自在王院跡で、犬のふんを後始末せずに放置するなどマナーの悪い飼い主による行動が問題となっている。同公園を管理する平泉文化遺産センターでは景観保全の観点から注意を促す看板の設置が難しいこともあり、観光地としてのイメージダウンにもなりかねない事態に頭を抱えている。

 毛越寺東側に隣接する観自在王院跡は、奥州藤原氏の2代基衡の妻が建立したと伝えられる寺院跡で、敷地は南北約250メートル、東西約160メートル。舞鶴が池を中心とした遺構は1973年から76年にかけて行われた公有化と発掘調査で極楽浄土を表した浄土庭園がほぼ完全な姿で復元され、町民や観光客が自由に訪れることができる史跡公園として整備されている。

 問題となっているのは、浄土庭園を挟み南北に設けられた芝を張った広場で、朝夕を中心に犬の散歩に訪れる飼い主がふんを後始末せずにそのまま放置。中にはリードを外してドッグランのように自由に犬を放している飼い主もおり、町から芝刈りなどの管理を委託された作業員が利用者や観光客からクレームを受けることもあるという。

 園内には町が以前から飼い主に注意を促す看板を2カ所設けているが、景観保全の観点から目立たない場所にあり、世界遺産の構成資産となって以降は新規設置も難しい状況。同センターでは「町民や観光客が憩いの場として利用する公園でもあり、犬の散歩は他の利用者の迷惑にならないようマナーを守って行ってほしい」としている。

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