慰霊の炎 川面を染め 盛岡舟っこ流し
盛岡市指定無形民俗文化財の送り盆行事「盛岡舟っこ流し」(同協賛会主催)は17日、市内の北上川に架かる明治橋周辺で行われた。市民らが川面を赤く染めて燃え上がる舟を眺めながら、先祖の霊を慰めた。
今年は大雨による増水の影響で、16日の実施を17日に延期して開催した。北上川両岸の仙北町や南大通などから14の地区・団体が参加。へさきに竜の造形物を据え付け、ちょうちんや造花で華やかにあしらった14そうが流された。
火が放たれると、舟は爆竹や花火の音を鳴らしながら、勢いよく燃え盛った。
明治橋付近には多くの見物客が詰め掛け、舟が燃え尽きるまで見守りながら無病息災などを祈った。
家族と初めて見物した主婦下入佐有沙さん(42)=同市本宮=は「間近で見ると、迫力満点できれい。夏のいい思い出になった」と話していた。
同行事は約300年前、盛岡藩4代藩主南部行信の七女・麻久子姫が、川で溺れ死んだ人の霊を供養する大法事を営んだのが始まりとされる。