夏採りアスパラ青々 JA花巻管内 出荷作業が最盛期
県内トップのアスパラガス生産量を誇るJAいわて花巻管内で、2019年度夏採りの収穫作業が最盛期を迎えている。生産農家が青々と育ったみずみずしいアスパラの朝採りに精を出し、北上市内の選果場から県内外に出荷している。選果と結束を行う機械を今シーズン追加導入したことで処理能力がアップ。今年度は約2億円の販売を目標に18年度産より60トン以上多い214トンの出荷を目指す。
管内のアスパラは、春採りが5~6月、夏採りは7~9月に出荷されている。春物と夏物の出荷の割合は春物が若干多いもののほぼ半数ずつ。生産量に極端な開きがあるわけでないにもかかわらず、一般に夏物に対する消費意欲が低く春採りへの関心が高いのが現状だ。
今夏の生育は、昨シーズンの株養成の状況が良かったことで暑さにもめげず順調で、出荷量は昨シーズンよりやや多めに推移している。農家が朝採りした生産物は、北上市和賀町煤孫にある同JA西南アスパラガス選果場に運び込まれ、品質や重量などを基準に選別され、県内と首都圏を中心に出荷されている。
この時期のアスパラは緑色の濃さが春物よりは薄くなりがちながら、同JA産のアスパラは他産地に比べて「色濃い」との評価を市場で受けているといい、同JA園芸販売課の谷川太亮課長補佐は「水分が多く栄養成分が豊富。疲労回復や抗酸化効果のあるアスパラをぜひ食べ暑さを乗り切ってほしい」とアピールする。
同JAによると、管内の出荷量は17年度と18年度の過去2年間は130ヘクタール前後の作付けで、150トン弱を生産し売上高は1億5000万円程度に上った。同JAは19年度、214トンの出荷で2億円余りの売り上げを目標にしている。
全農県本部がまとめた県内農協別の出荷実績によると、ここ数年は同JAが6割程度を占め県内でトップとなっている。