花巻

賢治世界 音楽で表現 アジカン後藤さんら出演 イーハトーブフェス【花巻】

イーハトーブフェスティバルで賢治作品を独特の表現力で朗読した古川さん(左)と後藤さん

 宮沢賢治の多様な魅力を探るイベント「イーハトーブフェスティバル2019」(賢治フェスティバル実行委員会主催)は31日、花巻市高松の宮沢賢治童話村で始まった。各界で活躍するアーティストの朗読やトーク、映画上映を通じ、幅広い芸術・文化活動に影響を与え続ける賢治の世界に迫っている。1日まで。

▲賢治学を語って会場を沸かせた養老さん

 14年に始まった「イーハトーブ・アニメフェスティバル」から数えて6回目。著名なゲストを迎え、芸術文化に大きな影響を与えた賢治の作品世界の魅力を多面的に発信しようと開催している。

 初日は約900人が来場。アニメ映画「もののけ姫」の上映に先立ち、ロックバンド「ASIAN KUNG-FU GENERATION(アジアン・カンフー・ジェネレーション)」のギター&ボーカルの後藤正文さん、「グスコーブドリの太陽系」などの著者で作家・古川日出男さんが出演して、古川さんが賢治の「銀河鉄道の夜」や「雨ニモマケズ」などの童話や詩にアレンジを加えて朗読し、独特の賢治世界を表現。ギターを担当した後藤さんとサポートギターの井上陽介さん(ターンテーブル・フィルムズ)が、古川さんの賢治世界にフィットするBGMを奏でた。

 3人はリハーサルなしで本番に挑み、古川さんは「後藤さんの音楽によって新しい賢治の世界を表現することができた」、演奏途中でピックの代わりに携帯ラジオを手にした後藤さんは「見ていた人も何でラジオを持っているのか不思議に思ったと思う。もしかしたら賢治さんと交信した音が流れるかもしれないと考えた」といい、加えて「(アジカンの代表曲)『リライト』でも歌うものと期待していた人もいたと思うので、今度はライブに来てほしい」と話していた。

 続いて著書「バカの壁」で知られる解剖学者の養老孟司さんが「養老孟司 賢治学」と題してトークし、賢治童話が人を感動させる魅力などを解説した。

 最終日は午後4時から9時まで開催。歌手Salyu(サリュ)さんとキーボード奏者の皆川真人さん、チェロ奏者の徳澤青弦さんによるライブ、スタジオジブリ代表取締役プロデューサーの鈴木敏夫さんのスペシャルトーク、映画「大人の見る繪本(えほん) 生(うま)れてはみたけれど」(1932年作、小津安二郎監督)を上映する。

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