香味や調和 出来競う 県清酒鑑評会 18場115点を審査【岩手】
県清酒鑑評会(県工業技術センター、県酒造組合主催)は5日、盛岡市内で開かれた。県内の酒造会社18場から吟醸酒、純米酒など115点が出品され、香味の良否や調和など日本酒としての出来を確かめた。
製造技術の向上と県産酒造好適米、新酵母、種こうじなど県産原料を使った清酒の質向上などを目的に毎年開催。2018年産米を原料に冬に仕込んで熟成させた清酒が対象で、吟醸酒52点、純米酒42点、市販酒21点が出品された。
仙台国税局鑑定官や杜氏(とうじ)、同センター専門研究員ら11人が出品区分ごとに審査。テーブル上に並んだ清酒を1点ずつ手に取って見た目の透明感や香りの豊かさ、味の深さなどを確かめ、4段階で評価した。
同センターの米倉裕一醸造技術部長は「近年はどこも貯蔵管理が良好になり、猛暑の影響もない。その年の米の傾向に合わせて香りとうま味などをバランス良く調和させ、熟成させている」と語った。
概評によると、吟醸酒はすっきりとしてきれいな酒質が多い。純米酒は全国から注目される県産酒造好適米「結の香」を原料とする出品が6割を超え、金賞9点のうち8点を占めた。
各酒造会社は、今回の審査結果を踏まえ、10月に仙台市で開かれる東北清酒鑑評会への出品酒を決める。
主な審査結果は次の通り。
◇吟醸酒▽金賞(6場、10点)=岩手銘醸、菊の司酒造、わしの尾、桜顔酒造、南部美人馬仙峡蔵、赤武酒造▽銀賞(3場、4点)=福来、世嬉の一、浜千鳥
◇純米酒▽金賞(7場、9点)=南部美人馬仙峡蔵、赤武酒造、桜顔酒造、南部美人本社蔵、菊の司酒造、廣田酒造店、岩手銘醸▽銀賞(2場、3点)=わしの尾、浜千鳥