古民家で伝統の舞 和賀大乗神楽 多彩な演目披露【北上】
「古民家で楽しむ和賀大乗神楽」は8日、北上市立花のみちのく民俗村で開かれた。古民家独得の雰囲気の中、メンバーは格調高い祈祷(きとう)舞や語り、ダイナミックな舞など多彩な10演目を披露。集まった100人余りの神楽ファン、市民は間近で臨場感ある神楽を堪能した。
同市和賀町の和賀大乗神楽の10~70代のメンバー13人が出演。太鼓や笛、鉦(かね)に合わせて「大乗の下」に始まり、激しい舞の「三番叟(さんばそう)」、ユニークな語りも交えた「鐘巻」、新築祝いの祈祷舞「荒神」、無病息災を願う「権現舞」などを披露した。
蒸し暑さの中、第2部では3人舞の「七五三切」、女舞の「帝童」、大乗神楽最高の祈祷舞で舞を極めた「法印」のみ踊れる「榊舞」に続いて、後生安楽を願う「伏獅子」で締めた。
来場者は各演目を間近でじっくり鑑賞。伊藤清さん(76)=同市上江釣子=は「いつもユーチューブで見ているが、生で見ると違う。古民家のこういう雰囲気で見るのもいい」と満足げに語った。
同神楽の鈴木俊逸代表(56)は「祈祷舞のほか、できる限り楽しめる演目を組んだ。古民家でこういう会を開けたのは有意義だった」と強調。若さあふれる激しい舞を見せた長男の智大さん(19)は「古民家でやるのはめったにない機会。ありがたく、楽しんでやらせてもらった。自分も民俗芸能をつないでいきたい」と意欲的に語った。