一関・平泉

教育に新聞有効活用 NIE推進アドバイザー 一関小で公開出前授業

関戸教諭と共に新聞記事の文中から答えを探し出す一関小の4年生

 県教育委員会が主催するNIE推進アドバイザーによる「新聞活用」出前授業が10日、一関市字鳴神の一関小学校(吉野新平校長、児童611人)を皮切りに始まった。教育事務所ごとに指定した同校を含む小中学校6校で12月まで実施する予定で、授業は県内の教諭を対象に公開。派遣されたNIE推進アドバイザーの授業を通し、教育現場における新聞の活用法を探る。

 出前授業は、県教委が今年度創設した「学校における新聞活用推進事業」の一環。一関小では4年生32人の社会科を利用して行われた。NIE推進アドバイザーで岩手大附属小の関戸裕教諭が講師を務め、一関小と県内の小中学校の教諭約30人が見学した。

 関戸教諭は「昔から今へと続くまちづくり」の単元で授業。一関、平泉両市町に農業用水を供給している照井堰(ぜき)用水の安全通水祈願祭の新聞記事を使い、用水路の歴史について解説した。「いつ、だれが造ったのかを記事を読んで調べよう」と呼び掛け、児童は記事を読み答えとなる文章を探した。

 授業では新聞だけでなく、写真なども効果的に活用。児童は事前の予想と答えを照合しつつ、「どうやって造ったのか」「他にもあるのか」など記事中に説明されていない歴史にも興味を持った様子だった。

 このほか、教諭を対象にした質疑応答や講義も行われた。「記事を使うときに難しい漢字にルビを付けたり、文章の量を調整することは必要か」「子ども新聞を利用すべきか」という問いに、関戸教諭は「大人の読む記事を利用した方が良い」「記事を短くするのはいいが、高学年児童にルビなどは必要ない。子供は必要な部分まで読み飛ばす力があり、興味があればおのずと自分で調べる」とした。

 参加した千厩小の須藤壽弘校長は「写真などに目を向けさせ、興味を持たせてから新聞へと移行するのが参考になった。押し付けずに新聞は役立つものと思ってもらえるよう、子供たちの関心を引く記事を見つけることも重要だ」と話していた。

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