北上・西和賀

東北大 医師派遣中止の意向 中部病院産科、20年春にも【北上】

東北大から産科常勤医の派遣中止意向が示された県立中部病院

 東北大(仙台市)が、北上市村崎野の県立中部病院(伊藤達朗院長)に派遣している産科常勤医を、2020年春にも派遣中止したいとの意向を県に伝えていたことが、12日までに分かった。同病院に勤務する産科常勤医5人のうち同大派遣医は3人を占めており、派遣が引き揚げられれば岩手中部保健医療圏の産科医療に大きな痛手となるだけに、県は産科医療体制の維持に向け他大学を含め派遣要請を続け、調整に努力する方針。

 県によると、同大から「医局体制の都合」を理由に6月、来春から派遣医師を減らしたいとの申し出を受けていた。県は引き続き同大に派遣維持を求めつつ、他大学にも派遣に向けた検討を求めている。

 県によると、中程度以上のリスクある出産に対応できる地域周産期母子医療センターに指定されている県内病院の18年度分娩(ぶんべん)取扱数は、中部病院が550件で、同市内の北上済生会病院は475件、一関市の県立磐井病院は759件、盛岡市の県立中央病院は487件などとなっている。同医療圏(花巻、北上、遠野、西和賀の4市町)の年間出生数は1500人程度で、受け皿の脆弱(ぜいじゃく)化が懸念される。

 県の稲葉亘地域医療推進課長は「中部病院の産科医療が継続できるよう、関係大学との調整に努力したい」と話している。取材に対し東北大病院広報室は「岩手県に説明している通りで、当院から詳細についてはお答えできない」としている。

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