奥州・金ケ崎

貴重な資料 文書リストに 市教委など 旧高橋家で悉皆調査【奥州】

江戸時代から昭和までの文書のリスト作成が行われている旧高橋家文書悉皆調査

 奥州市教委は、岩手大との「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+事業)」の一環として「旧高橋家(高萬)文書」の第2次悉皆(しっかい)調査を行っている。同文書の悉皆調査は2018年からで、旧水沢町の有力者だった旧高橋家の蔵などに残されていた江戸時代から昭和までの文書のリストを作成する。今年は全体の半分を目標に文書リストを作成する考えだ。

 旧高橋家は、水沢伊達氏家中で、衆院議員や水沢町長を輩出した。邸宅と蔵などの付属屋は国指定重要文化財となっており、同文書は「金庫蔵」の中のたんすにしまわれていた物。昨年の調査では約2000点の資料のリストを作成した。

 今年度の調査は、人文社会科学部人間文化課程の家井美千子教授と学生、市教委歴史遺産課の高橋和孝学芸員が参加し、今月15~19日の日程で行われている。

 3日目の17日は、家井教授と学生ら6人が次々に封書や台帳などを取り出してタイトル、関係者などをパソコンに入力する作業を行った。

 家井教授は「昨年は政治的な資料が多かったが、今回は経済関係の資料が多数ある。流れ者の世話をするのもこういう人たちの役割だったし、高額な寄付金もして地域を回していたことがうかがえる」と調査の現状を語っている。作業に当たっている同学部4年の庄子美祐さん(21)は「普段見ることができない貴重な資料。形式も多様にあるのが分かる。現物資料を見ると実感でき、分かることも多いと感じる」と話していた。

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