奥州・金ケ崎

侍住宅で演劇模索 城内農民芸術祭ワークショップ【金ケ崎】

旧菅原家侍住宅で行われたトークセッション&ワークショップ「家で演じる」

 金ケ崎芸術大学校「城内農民芸術祭」のトークセッション&ワークショップ「家で演じる」は23日、金ケ崎町西根の旧菅原家侍住宅で開かれ、演出家黒田瑞仁さん(31)=埼玉県蕨市=とともに「家」をキーワードに参加者が話を深め、家で演じることを試みた。

 「家で演じる」は、前日の国選定城内諏訪小路伝統的建造物群保存地区(伝建群)をそぞろ歩く「リサーチプロジェクト『妄想的演劇散歩』」に続いて開催。リサーチプロジェクトでは、参加者が黒田さんと歩きながら宮沢賢治作品を演じる舞台として伝建群のスポットを探した。

 黒田さんは、同市の旧加藤家住宅を管理しながら住宅を拠点とした「ゲッコーパレード」代表として演劇活動を展開。台所や居間、バーなど日常空間の中で、「ハムレット」「ファウスト」「アラビアンナイト」などを演出し、話題となっている。

 トークセッション&ワークショップでは、黒田さんが「家とはなにか?」について▽家族▽動物▽妄想▽モノ―の4系統で考察した内容を紹介した後、参加者9人が思い思いに旧菅原家の中を歩き回り何ができるか考えた。参加者は「寝転がる」「何もしない」「縁側で読書する」「障子を開ける」などとアイデアを出していた。

 その後、「玄関が四つあって使い分けられていた」「庭から家の中の様子が見えるのが良い」といった旧菅原家の特徴を挙げ、特徴を生かせる作品、演じ方などを話し合った。

 黒田さんは「金ケ崎は初めて来たが、夜の闇の印象が違う。見える所と見えない所の曖昧さを感じる。道も曲がっていて見通しが効かないが、伝建群の風景は絵になるように美しい」と印象を語り、今後も訪れて演劇の空間として模索する考えを示している。

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