花巻

荒れ地、斜面でも稼働 和同産業・自走式無人草刈り機 9日から先行予約【花巻】

先行予約受け付けが始まる「クロノス」。連続稼働した試験作業場と雑草伸び放題の周辺との差は歴然

 除雪機や農業機械の開発、製造メーカー和同産業(本社花巻市、照井政志代表取締役社長)は、9日から自動草刈りロボット「KRONOS(クロノス)」の先行予約を開始する。昨秋の報道関係者公開から約1年、モニター調査やデモンストレーションを重ね課題改善を図り満を持しての市場投入。同社では「自律走行無人草刈機」の一般販売は世界初とみており、岩手・花巻発の新製品が喚起する新需要が内外の注目を浴びそうだ。

 同機は84・5センチ×52センチ×36センチの大きさで重さ約16キロ、充電1回当たり約1時間稼働する。「草刈り作業の大変さからの解放」が開発コンセプトで、ワイヤで指定されたエリアで雨天時も作業を続ける。バッテリーが減少すると自動的に充電ステーションまで帰還するなど、使用者の労力軽減に同社のさまざまなノウハウが詰め込まれている。商品区分は同社の新たなカテゴリーブランド「ロボモア」。

 類似する「芝刈り機」が抱えていた▽でこぼこの場所や荒れ地が苦手▽斜面が上りにくい-といった問題点を大型タイヤや独自のモーター、超音波センサー採用などでクリア。試用者からは「年に5回草刈りが必要な場所をロボットに作業してもらい、その時間を本来すべきことに充てられている」「人にぶつかっても衝撃がなく、お年寄りでも安心して使える心強いパートナー」と高評価を受けており、各地からモニター応募や実機デモンストレーション申し込みが寄せられているという。

 同社営業企画課の鎌田征丞課長は「草刈りは重労働で省力化のニーズは高く、注目も浴びていると感じる。(昨秋の発表から約1年を経て)ようやく価格設定し、形として(消費者に)出すことができた」と安堵(あんど)。今後はSNS(インターネット交流サイト)で試用者インタビューなどを公開しつつ実機デモも続け、9日から千葉県の幕張メッセで開催される「道工具・作業用品EXPO(ツールジャパン)」にも出展される見通し。

 販売価格は標準設置費用込みで49万5000円(税別)。問い合わせは同社=0198(24)3221=まで。

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